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静岡県の袋井市から藤枝市をかつて走っていた軽便鉄道の「鉄道遺産」を訪ねます。あることで日本一だったこの鉄道、再現された列車に乗ることができる公園がありました。
【画像】記事中に掲載していない画像も! この記事のギャラリーページへ静岡県内に残るレトロな「鉄道遺産」。明治から昭和にかけ、多くの人々に愛された鉄道の数々。その歴史をいまに伝える、貴重なスポットを巡ります。
名前は「駿遠線」
小倉彩瑛アナウンサー(テレビ静岡)が向かったのは静岡・袋井市です。
鉄道愛好家で、「新幹線原点のまち藤枝を伝える会」の代表でもある山内達仁さんに案内してもらいました。
2人がやってきた「浅羽記念公園」は、東名•袋井ICから車で15分の場所にあります。
中に入ると、かわいらしい機関車がありました。
鉄道愛好家・山内達仁さん:
小さいところが特徴です。袋井駅から相良、榛原を通って藤枝駅までつながっていた「静岡鉄道 駿遠線(すんえんせん)」と言います
この機関車はかつて、静岡県内を走っていた「駿遠線」を再現したものでした。
駅名板もあり、「浅名(あさな)」と記されています。
袋井駅から現在の御前崎市や牧之原市を通り、藤枝までつながっていた駿遠線。1970年に廃止されるまでの約60年。県中西部を走るローカル鉄道として、地元の人に愛されました。
膝と膝をつき合わせる狭さ
そのレトロな見た目はもちろん、 他にも現在私たちが乗る鉄道とは、大きく違うところがあるそうです。
鉄道愛好家・山内達仁さん:
線路の幅が762mmで、1mを切っています。東海道線の線路幅は1067mmで1mちょっとありますので、3割ぐらい狭いということになります
駿遠線は、東海道線などに比べ、線路の幅が少し狭い「軽便(けいべん)」と呼ばれる鉄道です。実際に乗ってみると、向かい合って座ったら人が間を通るのは大変そうです。
車両も今よりコンパクト。少ない費用と簡単な工事で開業することができた軽便鉄道は、都市部に比べ、交通整備が遅れていた地方の足として活躍しました。
日本一○○な軽便鉄道
ここで、駿遠線クイズ!
駿遠線はこんな小さな鉄道ですが、当時あることで日本一でした。何が日本一だと思いますか?
日本一乗客数が多かった? いえいえそうではありません。
日本一運賃が安い? それも不正解。
正解は「日本一長い距離を走った軽便鉄道」でした。
袋井から新藤枝まで総延長は64.6km。利用者はほぼ通勤通学の客で、満員でした。海のシーズンでは、相良・静波といった海岸線を走るので海水浴客で賑わい、臨時列車まで出たそうです。
ちなみに、浅羽記念公園にあるのは当時の機関車を再現したレプリカ。実際に使われた車両は、藤枝市の郷土博物館に、唯一展示されています。
日曜祝日は、汽笛を鳴らすこともできるので、ぜひ挑戦してみてください。
■スポット名 浅羽記念公園
■住所 静岡県袋井市浅名1022番地ほか
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